今回は、著者ちきりんさんの「自分のアタマで考えようー知識にだまされない思考の技術ー」の要約についてまとめました。
本記事では、書籍の内容紹介にとどまらず、実践例をセットで紹介することで、書籍から得られる要素を、最大化することを目的としています。
要約に沿って、お勧め対象となる人を記載しました。実践例を別記事にて紹介している章もあるので、興味があればご覧になってみてください。
また、この記事を最後の「まとめ」では、書籍を無料で入手できる方法(もちろん、違法・不正ではないです。但し条件あり)を紹介しています。

こちらは、noteに書いた感想記事です。
書籍の概要と著者紹介
著者はちきりんさん、「Chikirinの日記」というブログ運営をされている方です。ブログを書いている人でもそうでなくても、書店で本を見かけたことがあるのではないでしょうか?
フォロワー数は35万を超えており、様々な社会問題について、独自の見解をブログを中心に発信しており、月間100~150万程のPV、多くの人がちきりんさんの発信に注目しています。
ちきりんさんのtweetやブログを読み、「一体この人は、どのような思考回路で、日々を過ごしているのだろうか」と気になって、本書に辿り着きました。
自分で思っている「自分のアタマで考える」ということと、チキリンさんの言うそれとが、何か違いはあるのかな、と思ったことがきっかけです。
本書では、物事を考える際、知識と思考をどのように区別するべきか、また、情報を処理し、思考する上での思考の型について解説されています。
以下、本書の要約に沿って、その内容を一部をご紹介致します。
「考える」とはどういうことか?(序章~第2章)

本書では、統計データやグラフ資料等の具体例に沿って、思考の型を学ぶことができますが、序章は、そもそも「考える」とはどういう行為なのかということについて解説されています。
情報収集と思考を区別し、数値情報や客観的な事実をもとに、まずは自分のアタマで考え、自分なりの意見をアウトプットすることの重要性が、序章から第2章で語られていました。
・資料やデータを見る際に、既存の知識は一旦忘れる
(先入観は脇に置いてデータを見る)
・資料やデータを見る際に、その数値の要因分析する
(知識は忘れて数値から分かること)
・資料やデータの分析後に、そこから先の予想をする
(知識に頼らず自分の分析を根拠に)
・知識や情報を集める際は、何をしたいか明確にする
(意思決定のプロセスを決めておく)
ここは、実際にやってみた方が納得しやすい部分ですので、本書にあった統計データをもとに進めていきます。
実践編:統計データを読み解こう

本書の第2章では、実際の合計特殊出生率データを使用します。
このデータをもとに、自分なりの考えを持ってから本書を読むと、ちきりんさんと自分の考えを比較でき、どういった深堀の仕方ができるのか、参考になるでしょう。
未読の方は、是非チャレンジしてみて下さい。本書での分析が正解という訳ではなく、何となくやっていた「考える」という行為が言語化され、得心する部分があるはずです。
いきなり、「考えてみて」と言われても、何をどう考えたら良いのか分からないかもしれませんが、それも含めて本書と照らし合わせると、理解が深まります。
本書では、データを読み解く際の「基本型」であるこの部分を、シンプルなキーワードを使用して、分かりやすく(覚えやすく)解説されていました。
実践編:どういう場面で使えば良いのか?

考え方以前に、このグラフに興味がわかないぜ・・・!
本書では、具体例として様々な社会での課題や、それらに関連するデータや情報が扱われます。ただ、前提として、そういったことに興味が湧かない人もいると思います。
社会の課題について、普段から深堀して考えている人は少ないかもしれません。また、無責任なことを言ってしまえば、全員が考えなくても生きていくことは可能です。(良い悪いは別として)
ただ、社会問題がテーマとして大きすぎて、いまいち、考える気にならなくても、仕事で使用するデータや資料でも、ここで学べる内容は十分活かせるものだと思います。
思考の型や心構えを学ぶことができても、実践する場がなければ、意味がありません。意識的に取り入れることをしなければ、この手の本から得られるものは少ないでしょう。
興味や関心のあることであれば、自分で考えて仮説を立てたり、調べたりすることは普段からやっているという方も多いのではないでしょうか。それと比較するだけでも十分です。

こちらは以前に書いた記事ですが、そのときに自分がどのように考え、情報を収集していたか等を思い返すと、本書の内容で参考になる部分が多かったように感じました。
構成要素に分解する(第3章・第6章)

第3章では、何かについて思考する際は、思考する対象について構成要素を分解するという思考の方法論です。ただ、構成要素を列挙することを実際にやろうとすると、意外とこれが難しい。
【問題1】完璧な女性の条件とは?
【問題2】歴史に名を残すリーダーの条件とは?
本書では「完璧な女性の条件」を構成する要素として3つ、「母」「妻」「女」という3要素があげられていましたが、一致する人は少ないと思います。
これには答えはありませんので、一致する必要はまったくないのですが、実用レベルで考えた際、どういうときに使えば効果的なのかと疑問が湧きました。
具体的に使えそうなシチュエーションを考え、実用してみたいので、記事にできそうであれば、今後追加をしていく予定です。
ちなみに、6章では、議論をする際にレベルを揃える(前提となっている部分)ことの重要性について触れられており、これは要素分解するときも意識しておいた方が良い点だと思い、ここではまとめてしまいました。
しかし、6章でちきりんさんは、「レベルを揃えると隠れた(隠したい)本音なんかも見えてくるよ」ということも、事例を交えて解説しています。
縦と横で思考を整理する(第4章・第5章)

4章と5章は2軸で思考を整理する方法がメインのテーマとなっております。縦と横のシンプルな2軸で思考することで、全体を俯瞰したり、特徴を捉えやすくしたりする方法です。

このような縦列と横行の比較表を、目にする機会は多いと思います。一見ありふれたものですが、実際に使うときは、縦と横に何を入れたら最適かを考えねばなりません。
本書では、縦軸を時系列にする使い方や、横軸をプロセスにする使い方を運用例として紹介しており、一覧にして縦横比較するメリットが、分かりやすく解説されています。
ちきりんさんは、上記の書籍を読むときに、実際にご自身で比較表をつくって縦横比較をされており、どのような視点で縦横比較しているかが5章で分かります。

また、6章の縦と横の2軸を用いた思考法では、上記の2by 2マトリックス図を使った優先順位決めについて、婚活女子や新卒採用を例に解説していました。
・対象と項目を比較することで、特徴が一目で分かる
・次の思考の種が生まれやすくなる
・問題点を把握、発見しやすくなる
・4象限に仕分けることで、優先順位が見えてくる
他にもありますが、ざっとこんなところでしょうか。ただ、この考え方自体、「分かっている」「知っている」という人は意外と多いのではないかと思っています。
一方で、この考え方を普段から使用していたり、仕事などで活用していたりする人は、もしかしたら少ないのではないでしょうか。正直、面倒だし、答えを探す方が楽ですよね。
しかし、その「答え探し」をしないで、まずは自分で考えてみようというのが、本書の最重要テーマであり、意識的にやってみないと、型を習得することは難しいと思います。
関連記事:これから発信してファンを増やしたいぞ!という人のための教科書
こちらの記事を読んでいて、2by 2マトリックスの使い方が分かりやすいなと思ったので、是非、参考までに、ご覧になってみてください。
グラフの使い方が思考の生産性を左右する(第9章)

この章では考えたことの視覚化がテーマになっています。グラフにはそれぞれの特性があり、章の冒頭では、円グラフと棒グラフ、それぞれの特性の違いについて説明されています。
仕事でも、勉強でも、自分で統計グラフを作成したり、参照したりすることはあると思います。日々、何となく見たり使ったりしていますが、考えるヒントになるでしょう。
実際に、どのようなケースに円グラフと棒グラフが有効なのか、考えを持ってから本書を読んで、照らし合わせてみるとよいかもしれません。
・仕事で、プレゼン資料や統計資料をつくることが多い
・会議やミーティングで、統計資料を頻繁に扱う
・私生活で、家計簿を付けている
また、少し難易度は高いですが「滝グラフ」というグラフを使用し、グラフの小計、その内訳を表示することで、より生産性の高いグラフ活用を紹介しています。
これは、読んで「なるほど」と思って終わってしまいそうだったので、実際に活用し、実践してみたので、興味のある方は以下の記事を読んでください。
そして、この章の最後では「思考を図で視覚化」する方法とそのメリットについて触れています。グラフと同じく、思考の言語化の次のプロセスです。
同じ言葉でも使う図の形状、配置で意味合いが異なる(ピラミッド型やベン図等)ように、視覚化することで思考の違いを明確にできます。
知識を思考の棚に整理する(最終章)

最終章は、思考と知識の理想的な関係についてのお話です。思考の整理方法では、「空・雨・傘」というフレームワークをよく目にします。
・空が曇っている(事実や情報≒知識)
・雨が降りそうだ(現状の解釈≒仮説)
・傘を用意しよう(解決方法)
こんなやつです。どこかで見かけたことがあるのではないでしょうか。本書では、「空・雨・傘」の話は出てきませんが、少し似ていると思いました。
「空が曇っている」という一つの情報。では、さらに気温が0℃以下という情報が加わったらどうなるでしょうか。雨ではなく、雪ということも言えそうです。
しかし、西側の天気が晴れていたら、雨でも雪でもなく、予測は晴れになるかもしれません。このように、新たな事実や情報の追加によって、解釈と仮説は変わってきます。
さらに、予め得られるであろう情報を先回りして仮説を立てておくことで、得るべき情報に優先順位をつけることが可能となり、情報への感度を上げられるということです。
本書では、思考の棚を視覚的に表し、情報を整理する手法について解説がされており、情報をキャッチするときの基本姿勢のようなものが学べます。
・フレームワークを使用した思考整理に興味がある
・事実に基づいて、考えを深められるようにしたい
ただ、こういった思考のフレームワークは、これまでの内容と同じく、自ら問いを立てて実用する部分が一番難しく、「興味」「関心」「知ってどうしたいのか」が前提として必要です。
柔軟な思考力を身に付けるには?(第3章・7章・8章)

本書では、「自分のアタマで考える」上で、その妨げとなる要素を一旦、思考から外すことの重要性について度々触れられており、各章の内容はそれぞれが繋がっています。
私たちにとって、現代社会は情報収集するのに容易な時代となり、いわゆる「模範解答」は探しやすい環境になったと言えるでしょう。
また、受験勉強でも「模範解答」をいち早く覚えることが重要視され、それを正しいやり方を学んで覚えるということにも慣れています。
ただ、模範解答や出回っている情報だけを頼りにしてしまうと、考えられる可能性を無意識に排除してしまったり、気付かないうちに思考が偏ってしまうこともあります。
第3章、7章、8章(他にもありますが)を読むと、「既成のフィルター」や「模範解答」から離れ、自分のアタマで考えることの重要性や留意点が理解できるでしょう。
第3章:あらゆる可能性を検討しよう
・増え続ける生活保護をどうするべき?
・「考えモレ」を出さない工夫
・市原都知事はなぜ圧勝したの?
第7章:情報ではなくフィルターが大事
・「企業の情報」より「自分のフィルター」を探そう
・就職に失敗するとフィルターが見つかる
・ちきりん流「仕事の4分類」
第8章:データはトコトン追い詰めよう
・自殺の最大の原因は?
・「自殺が増えている」は正確な表現なの?
・「要約」だけを見る危険
特に、社会での出来事などについては、既成の情報にとらわれ、100%自分のアタマだけで考えた意見、見解、分析というのは中々出せず、受け売り情報屋になりがちです。
模範解答のない難解な課題や問題について、受け売り屋にならず、自分のアタマで考える為には、何が阻害になっているかを知っていた方が、意識的に取り組めるはずです。
まとめ:無料で入手する方法
それでは、最後に無料でこの書籍を入手する方法をご紹介します。ただ、一点ご注意頂きたい点は、紙媒体の書籍ではないということです。
方法は「聴く読書」と言われるamazonのオーディブル(audible)を使用します。30日間の無料体験期間があり、期間内であれば料金は掛かりません。(1回限り)
必ず、お好きな本を1冊入手でき、しかも入手後はアプリさえあれば、退会後であっても、本を繰り返し聴くことが可能です。
方法は、すべてこちらの記事で紹介していますので、10分程度の時間があれば本を聴くことができます。退会方法も含め、すべて解説しているのでご安心下さい。
また、kindle unlimited であれば、無料ではありませんが、文庫本より400円程安く仕入れることが可能です。お得な割引も多いですよね。
今回の記事内容は、これで以上となります。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
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